同じパソコンのデスクワークをしていても、肩こりに悩む人と、そうでない人がいます。肩こりに悩む人の共通点はいくつかありますが、そのうちの一つが、「ミスが許されない」という強いプレッシャーのもとで仕事をしていることです。

「ミスをしてはいけない」と思うと、どうしても肩に力が入ります。「大丈夫かな?」という不安な気持ちがストレスとなり、筋肉の緊張に拍車をかけます。その結果、血行が悪くなり、肩に痛みをもたらします。つまり、同じ作業をしていても、その人の心理的な状態によって肩のコリにも大きな差が出てくるのです。

肩は、心臓から脳へと血液を送る際の通り道になります。このため、肩の筋肉が硬くなっていると、十分な血液と酸素が脳に送られなくなり、思考力が低下します。さらに、脳に集まったエネルギーや熱が下に降りにくくなり、下半身が冷える原因になります。

今回紹介するイルチ健康法のエクササイズは、腕を伸ばして肩をほぐすストレッチです。一般的なヨガでよく行われる「ネコのポーズ」の変型版です。

このポーズは、肩や首の周辺で滞っているエネルギーをほぐすことで、肩の筋肉に新鮮な血液を送り込みます。全身の「気血循環」が改善され、脳にも十分に酸素が届くようになり、ストレスを感じにくい「スッキリ脳」に切り替わります。

イルチ健康法の<腕を伸ばして肩をほぐす>

1.ひざをついて座り、上体を倒して両腕を前に伸ばします。肩のあたりを上下にゆらして軽く10回ほど伸ばし、筋肉の緊張をほぐします。
3.視線を指先のほうに向けて、両手を少しずつ先のほうへと伸ばしていきます。
4.背中から腰まで背骨を刺激し、脇や胸、おなかも伸びるようにします。
5.背骨を普段使わない方向に曲げ、胸をグッと開き、背中を反らします。首がこっていたら、首を軽く左右に揺らして緊張をほぐします。

筋肉の緊張を解くには、体を軽くゆらして反動によって伸ばす方法と、息を吐きながら力を抜く方法があります。反動を利用するほうが簡単ですが、練習をすれば、呼吸をするだけで緊張をほごすやり方もマスターできます。